スティック

ドラムスティックの重さ・軽さによる影響 | 重いや軽いを決める要因とは

ドラムスティックの重さを考察

あなたは、スティックの重さをどれほど考えて、購入していますか。

今まであまり考えてこなかったのではないでしょうか。それとも、買うペアの重さが揃うようにしか気をつけていなかったのではないでしょうか。これってけっこうもったいないことなんです。重さが違うだけで、音色やスティックの振りやすさは大きく変化します。

もちろん、スティックを買うときは、材質や太さ、長さなどを調べているので、おおよその重さは把握できます。ヒッコリーよりオークの方が重いですし、14.0mmより15.0mmの太さが重いでしょう。でも、同じ種類のスティックでも10gも重さに差があることはザラです。

そもそも、重いスティックと軽いスティックに基準はどこにあるのでしょうか。

スティックの重さ表記

楽器屋さんのスティック売り場を想像してください。メーカーや材質、重さ、太さ、チップなどは事細かに記してあるでしょう。でも、重さってあまり見たこと、ありませんよね。

実は、楽器屋さんでは、なかなか重量を表記してくれません。それどころが、メーカーも重量を明記していないケースが多々あります。

これは、スティックで有名なブランドVic Firthの、商品紹介ページです。

太さや長さ、ショルダーの長さ、材質などは書いてあるのに、重さはどこにも書いてありません。Vic Firthほど有名なスティックブランドであっても、です。おそらく、重さはスティックの個体差が出やすいから表記を控えているのでしょう。

スティックの重い・軽いの基準

では、重さの基準はどうやって考えれば良いのでしょうか。

個人的な意見ですが、各ブランドが標準モデルとして出しているスティック(大体の場合、5A)を参考にすれば良いと思います。5Aは各ブランドが標準モデルとして、定めている(と考えて良い)スティックなので、このスティックの太さや長さを参考にしましょう。

5Aのスティックより長かったり太かったりすれば重めのスティック、短かったり細かったりすれば軽めのスティックであることが多いです。

ドラムスティックの選び方によると、それぞれの5Aは下のような太さ×長さだそうです。

  • VIC FIRTH 5A(14.4mm×407mm)
  • PROMARK 5A(14mm×406mm)
  • ZILDJIAN 5A(14.2mm×406mm)
  • VATER 5A(14.5mm×406.4mm)
  • WINCENT 5A(14.3mm×406mm)

これを踏まえると、以下の太さ・長さが一つの基準になりそうです。

太さ長さ
14.0mm〜14.5mm406mm〜407mm

スティックの重さを決める要因

先ほども、太さや長さによって重さが変化することは触れましたが、もう少し掘り下げてみましょう。

太さ

スティックは太ければ重く、細ければ軽くなります。先ほどの目安(太さ 14.0mm〜14.5mm)を参考に、太い細いを考えましょう。なお、スティックの太さが変わると、スティックの持ちやすさが変化します。太い方が持ちやすい、細い方が持ちやすい、というのは個人差が大きいので、自分で試しましょう。

長さ

長いほど重く、短いほど軽くなります。406mm〜407mmが一つの目安です。先ほどは、持ちやすさでしたが、長さが変わると、降った感覚が変化します。長さが変わると持つ位置や重心が変化するので、慣れていない場合は、ベーシックな長さを選ぶのが無難です。

素材

メイプル、ヒッコリー、オークの順で重くなります。メイプルはジャズ向き、オークはハードな音楽向きと呼ばれていますが、好みで使い分けてもらって問題ありません。音の高さや響き方が主に変化します。太さや長さをそのままにしたい場合は、素材だけ変えるのもありです。

なお、金属製のスティックもありますが、初心者にはおすすめしません。重さだけでなく、音色のほか、様々な点が特殊なので、先にあげた素材を選んだ方がいいです。

密度

意外に盲点なのが、密度です。言い換えれば、スティックにどれだけ木が詰まっているか、ということになります。太さや長さのように、あまり明示されていませんが、楽器屋なら、重量計を置いてあることもあり、購入前に密度(重さ)を調べられます。

全く同じ種類のスティックで統一したい場合や、太さや長さはそのままに重量だけ変化させたい場合は、密度を調べると良いでしょう。

スティックの重さによる影響

では、スティックの重さが違うと、どのような違いが出るのでしょうか。

軽いスティック

軽い音

スティックが軽いので、音も軽くなりがちです。軽やかに演奏した方が良いジャズに向いています。音が軽いからといって、芯のない音になるわけではありません。音色は、叩き方で変わるので、良い音を出したいからといって重いスティックを選ぶ必要はありません。

スティックコントロールが困難

スティックがあまりに軽いと、リバウンドを拾うのが難しくなります。バスケットボールと風船では、バスケットボールの方がリバウンドさせやすいのと似ています。まだドラムを初めて間もない人や、アクセント・パラディドルに強くない人は、極端に軽いスティックを使わない方が良いでしょう。

重いスティック

重い音

軽いスティックとは反対に、音が大きく重くなります。体重の重い人ほど、足音がずっしりしがちなのに似ています。それゆえに、あまり力のない人でも比較的大きな音を出せるでしょう。ハードやラウドなどの激しめの音楽で使われる傾向にあります。

パワーを要す

重いということは、スティックを振るのにそれなりに力を使ってしまうということでもあります。たかが、50gでも何百回も振れば疲れてしまいます。また、連打を高速でするバンドでは、スピードが追いつかないので、使いにくいでしょう、

ドラムスティックの重さは試して!

ドラムのスティックは演奏に大きな影響を及ぼします。スネアドラム、キックペダル然りです。しかし、他の楽器と違う点は、1セットが安い点です。そのため、複数のスティックで迷ったら、全部のスティックを買うと良いでしょう。

また、スティックを最初に買う人は、重さよりも好きな見た目や、憧れているアーティストのシグネチャーモデルを選びましょう、普通のスティックよりやる気が出ます。私も、最初のスティックはSCANDALのRINAのスティックを買いました。