- 穴が10個空いたハーモニカ
- 吹いても吸っても鳴る
- 最初の1本はC調がおすすめ
目次
ブルースハープとは
ブルースハープとはブルースにて使用されるハーモニカで、HONOR社の登録商標「ブルースハープ」が由来です。10ホールズハーモニカとも呼ばれるように穴が10個空いています。単体で使われるほか、ボーカルやギターと一緒に演奏されます。
ブルースハープの特徴
- 吹いても吸っても鳴る
- 穴は10か所
- 価格は数千円
ブルースハープの最大の特徴は、息を吹いたときにも吸ったときにも音が鳴る点です。サックスやトロンボーンのように吹いた際にしかならない楽器が大半であるのに対し、ブルースハープは息を吸ったときにも音が鳴ります。そのため音を続けて演奏する奏法が可能です。
10ホールズハーモニカであるブルースハープは、穴が10か所空いています。しかし息を吹いたときと吐いたときでは音程が異なるため、穴の数の倍、20音を鳴らせます。また、穴はダイアトニックコードを奏でられるように並んでいるため、並んでいる3,4音を同時に吹くだけでコードが完成されます。
安いブルースハープなら千円せず、普段づかい用なら数千円、高級品でも数万円で販売されています。ギターやサックスは初心者用でも数万円することから、ブルースハープは財布に優しい楽器だと言えます。
ブルースハープの種類
ブルースハープの種類は、素材によって3つに分けられます。木を切り出して作られる木製ボディ、樹脂を固めて作られる樹脂ボディ、金属型に入れて作られるメタルボディの3種類です。曲調に合わせて使い分けられると初心者を脱出しているのではないでしょうか。
種類 | 特徴 |
---|---|
木製ボディ | 丸みを帯びた音。おだやかな曲調に映える。 |
樹脂ボディ | やわらかい音。初心者にも使いやすい。 |
メタルボディ | 冷たく響く音。くっきりしたメロディを奏でる。 |
ブルースハープのキー
各ブルースハープは、12種類あるキーのどれかが割り当てられているため、演奏可能な楽曲が異なります。どのキーが割り当てられているかは商品名に記されています。たとえば下の商品は「C調」とされいることから、キーがCのブルースハープであると判断されます。
多くの教則本はキーがCのブルースハープを使用しているので、1本目はCに調律されているものがおすすめです。ただし、曲によってはC調以外のブルースハープが必要な場合もあり、楽曲と本体の調子が異なる場合は買い足さなくてはなりません。
ブルースハープで鳴る音程(C調の場合)
ブルースハープはキーによって鳴らせる音が決まります。たとえばC調のブルースハープだと、次のような音を鳴らせます。穴の位置を左から順に表しています。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
吹いた音 | C | E | G | C | E | G | C | E | G | C |
吸った音 | D | G | B | D | F | A | B | D | F | A |
吹く場合は、どこの連続した3音をとってもC・E・Gの組み合わせになるため、Cのコードが鳴ります。
吸う場合は1,2,3または2,3,4だとG・B・Dが鳴りGのコードがなります。4,5,6または8,9,10を吸った場合はD・F・Aが鳴るためDのコードが鳴ります。
つまりC調のハーモニカ1台で、トニックのC、サブドミナントのD、ドミナントのGをすべてまかなえます。
ブルースハープで鳴る音程(A調の場合)
A調は次のような音が鳴ります。A調だけでなくどのブルースハープでもトニック、サブドミナント、ドミナントは鳴らせます。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
吹いた音 | A | C# | E | A | C# | E | A | C# | E | A |
吸った音 | B | E | G# | B | D | F# | G# | B | D | F# |
音階の配列は奥が深いので、さらに知りたい方は下のページを参考にしてください。
ブルースハープのポジション
ブルースハープは1台で複数のキーの曲に対応できます。対応を可能にするための考え方をポジションと呼びます。
ポジションによって音の組み合わせが変わるため、奏でられる雰囲気も異なります。曲調に合わせたポジションとブルースハープ選びができると表現の幅が広がるでしょう。
ファーストポジション
ファーストポジションでは、曲のキーと同じキーのブルースハープを使用します。
曲のキー | ブルースハープのキー |
---|---|
C | C |
C#(D♭) | C#(D♭) |
D | D |
D#(E♭) | D#(E♭) |
E | E |
F | F |
F#(G♭) | F#(G♭) |
G | G |
G#(A♭) | G#(A♭) |
A | A |
A#(B♭) | A#(B♭) |
B | B |
セカンドポジション
セカンドポジションでは、曲のキーに対して半音5こ分上に値するブルースハープを使用します。Cの曲であればGのブルースハープを、Eの曲であればAのブルースハープを使用するといった具合です。
ブルース独特の和音が鳴るため、もの寂しげな退屈そうな曲調に合います。ブルージーなポジションです。
曲のキー | ブルースハープのキー |
---|---|
C | F |
C#(D♭) | F#(G♭) |
D | G |
D#(E♭) | G#(A♭) |
E | A |
F | A#(B♭) |
F#(G♭) | B |
G | C |
G#(A♭) | C#(D♭) |
A | D |
A#(B♭) | D#(E♭) |
B | E |
サードポジション
サードポジションでは、曲のキーに対して半音2こ分下に値するブルースハープを使用します。Cの曲であればA#のブルースハープを、Eの曲であればDのブルースハープ使用するといった具合です。
マイナースケールの曲を演奏するのに使用します。ブルースはマイナーの曲が多いため活躍の場はあります。
曲のキー | ブルースハープのキー |
---|---|
C | A#(B♭) |
C#(D♭) | B |
D | C |
D#(E♭) | C#(D♭) |
E | D |
F | D#(E♭) |
F#(G♭) | E |
G | F |
G#(A♭) | F#(G♭) |
A | G |
A#(B♭) | G#(A♭) |
B | A |
その他
フィフスポジションやナチュラルマイナーポジションなど、ポジションの種類は複数あるが代表的なのは、上で紹介した3つです。
ブルースハープでブルージーに
ブルースハープはギターと合わせて使用されることの多い楽器です。コードを奏でることもリードを取ることもできるため、広い場面で活躍できます。
ブルースハープに挑戦したい方は、数千円程度でC調のものを買ってみましょう。1台が安いため気軽に挑戦できます。
音程の変換表
日本語 | 英語 |
---|---|
ド | C |
ド#(レ♭) | C#(D♭) |
レ | D |
レ#(ミ♭) | D#(E♭) |
ミ | E |
ファ | F |
ファ#(ソ♭) | F#(G♭) |
ソ | G |
ソ#(ラ♭) | G#(A♭) |
ラ | A |
ラ#(シ♭) | A#(B♭) |
シ | B |