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ロックンロールとは – 意味や歴史 | 有名アーティストと曲【音源あり】

RockAndRoll_EyeCatch
ドラマーの私
ドラマーの私
ロックンロールとはビートルズやローリング・ストーンズがヒットするころまでの、ボーカルやエレキギター、エレキベース、ドラムなどで編成された8ビートの音楽をさすことが多いです。

ロックンロールの意味

  1. 1950年代中頃のアメリカにて誕生した、ブルースやカントリーから発展した音楽ジャンルです。シンプルなメロディやコードを使用し、リズムは8ビートを基本します。派手なパフォーマンスが特徴的です。
  2. ①の要素を引き継ぎつつ多様化したジャンルをさします。ハードロック・パンクロックなど。
ドラマー
ドラマー
ロックンロールは文脈によって大きく2つの意味を持ちます。

①は学術的で専門的な議論をするときに「ロック」と区別して使用されます。そのため日常的に使われている「ロックンロール」からは想像しにくいかもしれません。反対にテレビやネットで使われる「ロックンロール」は②を意味することがほとんどです。

ロックンロールの語源

ロックンロールの英語表記はRock ‘n’ Rollで、もとの形はRock and Rollです。Rockは「ゆする、ゆらす(岩は関係ありません)」、Rollは「転がる」という意味をもっており、あわせて「性交」を意味する言葉であったとされています。

ロックとの違い

「ロックンロール」はブルースやカントリーの要素が色濃い1960年代前半までの音楽です。一方、「ロック」はブルースやカントリーと他ジャンルの要素が混じり合った1960年中期以降の音楽を表します。つまり、1960年の前後であるかブルースやカントリーのニュアンスが強いかでロックンロールとロックは分けられます。

ロックンロールロック
ブルースやカントリーの要素が強い他ジャンルを取り込んだりロックの要素を強調したりする
〜1960年半ば1960年半ば〜

しかし学術的に議論するとき以外は同じ意味として扱うケースが大半です。ロックを演奏しているアマチュア〜プロであってもロックンロールを自称する場合があり、よほどのことがない限り「ロックンロール」=「ロック」で間違いありません。

ロックンロールの有名なアーティスト・曲

エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)

全世界で6億枚以上のレコードやカセット、CDを売り上げたロックンロールのカリスマ、エルヴィス・プレスリー。当時の若者は彼の歌い方や存在それ自体に強く熱狂し、ロックンロールのアグレッシブさに魅了されました。当時の大人はロックンロールを冷ややかな目で見ていましたが、その原因の1つに彼の腰を振った踊りがあげられます。

エルヴィス・プレスリーの『Heartbreak Hotel』をYouTubeでチェック

ビル・ヘイリー(Bill Haley)

Bill Haley & His Cometsのようにバンド形式で活動していたビル・ヘイリー。1954年に発売された『Rock Around The Clock』はロックンロールにおける最初のヒットとされることも多く、ロックンロールの代表曲だといえます。小気味よいノリは今なお色あせません。

ビル・ヘイリーの『Rock Around The Clock』をYouTubeでチェック

チャック・ベリー(Chuck Berry)

「ロック界の伝説」とも呼ばれるチャック・ベリー。キャッチーな彼の(繰り返しの和音やコード進行のこと)リフは現在のロックにも大きく反映されています。彼のギターを聴けばロックへどれほど影響を及ぼしたかがわかるでしょう。

チャック・ベリーの『Maybellene』をYouTubeでチェック

ビートルズ(The Beatles)

ロックンロールのブームが落ち着きつつあったアメリカに突如やってきたイギリス・リヴァプールのバンドです。キャッチーで耳に残りやすいメロディはいまでも世界中で聴かれています。

優しくポップさも感じられるため(後期は除く)、CMやBGMとしても多数使用されています。ビートルズの名前を知らなくても曲を聞いたことはあるはずです。

She Loves You

ビートルズの『She Loves You』をYouTubedでチェック

A Hard Day’s Night

ビートルズの『A Hard Day’s Night』をYouTubedでチェック

ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)

赤いくちびると舌のロゴが印象的で、ビートルズと並び称されることの多いローリング・ストーンズ。落ち着いた雰囲気のビートルズに対し、ローリング・ストーンズはアグレッシブなスタイルが特徴です。

ビートルズが「〇〇しませんか?」というイメージに対し、ローリング・ストーンズは「〇〇しようぜ!」みたいな雰囲気といえばわかるでしょうか。後にソウルで頻繁にカバーされるなど時を越えて愛されているバンドです。

(I Can’t Get No) Satisfaction

ローリング・ストーンズの『(I Can’t Get No) Satisfaction』をYouTubedでチェック

Start Me Up

ローリング・ストーンズの『Start Me Up』をYouTubedでチェック

歴史

誕生

ロックンロールは、ブルースやR&B、カントリー&ウエスタン、当時のポップが混じり合ってできた音楽です。誰かがロックンロールを開発したというわけではなく、みなで近しいブルースやカントリーを演奏していたらロックンロールみたいな曲になっていたという表現が合っています。

初期のロックンロールといえば、ビル・ヘイリーの『Rock Around The Clock』』エルヴィス・プレスリーの『Heartbreak Hotel』があげられます。

ビル・ヘイリー『Rock Around The Clock』をYouTubedでチェック

当時のロックンロールは、エルヴィス・プレスリーの腰を振るパフォーマンスをはじめインパクトのあるエンターテインメントで、若者の親やメディア関係者から教育に適切でないと敬遠されました。エルヴィス・プレスリー本人が出演する映画でもロックンロールが流れており映画内の役回りが非行的であった点も、大人がロックンロールを忌避する理由でした。

エルヴィス・プレスリーの『Jailhouse Rock』をYouTubeでチェック

大人がロックンロールを若者から遠ざけようとすればするほど、若者はロックンロールを聴き込むようになっていきました。豊かになりつつあったアメリカの中流階級は、物理的に不自由しているものはなかったものの画一的で変化の乏しい生活を送っていました。

おもしろみのない生活になにか新しいものをと若者が求めたのがロックンロールでした。当時「正しい(きれいで教育に適しているという意味)」音楽を流していたメディアも一部では若者向けにロックンロールを放送し始めていました。もちろん周囲の目は厳しいかったですけど。

ロックンロールが死んだ年

当時の若者に人気を博していたロックンロールですが流行は突然途絶えてしまいます。ドラッグによる急死や飛行機による事故死など、ロックンロールの前線を走っていたアーティストがことごとく舞台から姿を消しました。この「ロックンロールが死んだ年」によりロックンロールの流行は衰退しはじめました。

日時事柄
1958年1月リトル・リチャードが飛行機故障による祈りを経て、トラブルアラバマ州の神学校に入学(=ロックンロール界から姿を消す)。
1958年3月エルヴィス・プレスリーが徴兵。
1958年5月ジェリー・リー・ルイスが14歳のいとこと結婚。しかも前の夫人と別れておらずスキャンダルへと発展。
1959年2月バディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、ビッグ・ボッパーを乗せた飛行機が墜落し、3人とも死亡。
1959年末チャック・ベリーが解雇した娼婦から訴えられ2年の懲役。
1960年4月エディ・コクランが事故で死亡。ジーン・ヴィンセントも片足を引きずるほどの後遺症を患う。
1959年〜1960年アラン・フリード(DJ)が賄賂を受け取っていたと決めつけられ音楽業界から追放。

「健全」な白人音楽

ロックンロールが衰退し始めたころ、代わりに出現したのが「健全な」白人音楽です。若者の親や音楽業界の関係者が、若者に安心して聴かせられる音楽としてメディアでも大きく取り上げました。

キャロル・キング(Carole King)やニール・セダカ(Neil Sedaka)はそんな白人音楽の中で生まれたアーティストです。彼女らの音楽は声を荒げることはなくきれいに歌い上げられています。しかしその反面、ロックンロールの要素であった反骨精神や立ち向かう心といった描写はありませんでした。

キャロル・キングの『The Loco-Motion』をYouTubeでチェック

ニール・セダカの『One Way Ticket (To The Blues)(邦題 : 恋の片道切符))』をチェック

ブリティッシュ・インビジョン

ブリティッシュ・インビジョン(British Invasion)は、和訳すると「イギリスの侵略」です。当時ロックンロールの精神が消えかけていたアメリカに、ロックンロールを再熱させたのがイギリスからやってきたビートルズでした。彼らによってロックンロールが再び日の目を見ると同時に、ロックンロールはより広いジャンルを表すロックへと変貌を遂げました。

ビートルズの『Help!』をYouTubedでチェック

同時期にはローリング・ストーンズやアニマルズ、ザ・フーなどのバンドも活躍しており、ビートルズとはまた異なったテイストを醸し出していました。特に静かめなビートルズに対し、黒人の要素を強くもったローリング・ストーンズは頻繁にビートルズと比較され話題になりました。

ローリング・ストーンズの『Under My Thumb』をYouTubedでチェック

ロックンロールには黒人の音楽が反映

ロックンロールの概要や有名なアーティスト・曲、歴史などを解説しました。

ロックンロールはブルースやカントリー、その他いろいろなジャンルから影響を受けてはいますが、初期のロックンロールは黒人のノリをヒントに作られた曲が多く聴いていても黒人特有のノリを感じられます。チャック・ベリーが首を前後に振ってリズムを取っている点から見ても明らかです。

最近の「ロック」とは異なる面も少なからずありますが精神的な部分は大きく変化していません。何かに立ち向かう気持ち、現状に満足しない思いは「ロック」に通じる部分が多々あるでしょう。

参考にした記事や本

なぜリトル・リチャードは牧師になり、そして再びロックンロールの世界に戻ってきたのか