あなたはこんなドラマーになっていませんか?
- 走る・モタるが多発する
- フィルでリズムが崩れる
- リズム感?ナニソレオイシイノ?
楽器をさわるうえで切っても切り離せないリズム感。しかしリズム感をどのように習得すべきかは多くの人が悩むポイントです。あなたも悩んでいることでしょう。
ふわふわとして掴みどころのないリズム感をいかにして習得すべきか解説しましょう。「やらないとな…」と思った今がチャンスです。リズム感の習得に早いも遅いもありません。
- リズム感はすべての原点
- 曲で体に叩き込む
- メトロノームは “併用” する
目次
リズム感とは
リズム感は、体でリズムを感じ取れる感覚、ないし自発的に一定のリズムを刻める状態と考えてください。かんたんにいうとメトロノームなしでも安定してリズムを刻める状態です。
「リズム感とはなんぞや」を延々と語り始める輩もいますが時間の無駄です。そんな暇があれば習得してしまいましょう。
リズム感が必要な理由
そもそもリズム感はなぜ必要か考えてみてください。次のような考えにたどり着くでしょう。
- 他の人と演奏を合わせるため
- テンポをキープするため
- なんとなくの不安を解消するため
「西洋の音楽」は一定のテンポで演奏されるため、テンポを感じられる感覚すなわちリズム感が必須です。もしリズム感がなければメンバーと演奏がバラバラになり、聴ける演奏ではなくなります。
リズム感の身につけ方
リズム感を身につける方法をここでは2つ紹介します。私は曲で体に覚えさせている(今なお習得中)ので、メトロノームを使ったやり方はいまいちおすすめできませんが、周りにはメトロノームで習得した方が何人かいるのであわせて紹介します。
曲で体に覚えさせる
まずは音楽でリズム感を体に染み付かせる方法を解説します。一般的に呼ばれるメトロノームを使った方法とは異なるやりかたですが、自信をもって紹介する根拠があります。
リズム感の歴史
音楽の起源は、狩りをしていた時代までさかのぼります。正確な年代はわかりませんが、重要なのは私たちが生まれるはるか昔から音楽が存在していたということです。
メトロノームが生まれたのは19世紀です。では19世紀以前の音楽はリズムがぐちゃぐちゃだったのでしょうか。いや、一定のリズムを保っていたことでしょう。
ではどうやってリズム感を養っていたか。そうです、音楽を聴いてリズム感を習得していました。詳しくは「踊りが〜」「農業が〜」と長くなるので割愛しますが、要するにリズム感の上達にメトロノームは絶対必要なわけではありません。
リズム感を鍛える方法
リズム感の鍛え方はたくさんあります。首や胸、腰で4分、8分を感じて踊りながら体にリズム感を習得させる方法、2と3のリズムを体に刻む方法などなど。前者は『黒人リズム感の秘密』という本に、後者はSatoshi Kirisawaさんの動画にて確認できます。

ポイントは音楽をとおして体にリズムを浸透させることです。指や手をちょこちょこ動かすだけでなく体全体からリズムが湧き出る状態を目指してください。
メトロノームで頭にブチ込む
メトロノームを使ったリズムの鍛え方は、西洋文化の浸透した地域において広く使用されています。日本でもメトロノームによるトレーニングはよく聞かれます。
よくあるトレーニングは、4分音符(表拍)でメトロノームをならし裏拍を「感じる」ものです。「感じる」が指すかはよくわかりませんが、なにかを叩いたり声に出したりするのでしょう。表拍と裏拍を逆にしたり8分音符や3連符にしたりとレパートリーも豊富なようです。
しかし正直わたしはメトロノームを使った西洋的なやり方を信用していません。なぜなら私がメトロノームでリズム感を習得できなかったからです。
あくまで推測ですがメトロノームを使ったやり方はすでにリズム感のある人がさらにリズム感を鍛えるためにあるのではと考えています。運動音痴(運動と音楽はリズムの観点でつうじるものが多い)であった私は、メトロノームのやり方が合わず苦労しました。
人によって合う合わないがあるのでメトロノームの練習も曲を使ったトレーニングも試して自分に合った方法で練習しましょう。
リズム感にまつわるQ&A
曲はなんでもいいの?
「なんでもいい」と言いたいところですが、いわゆるバンドマンの曲は避けたほうが無難です。ロックバンドの中にはリズム感のない方々もいます。またリズム感のあるバンドでもリズムを感じやすいバンドと感じにくいバンドがあります。
リズム感を鍛えるかは別として、リズムを感じやすいバンドはMITYAVIさんやOKAMOTO’Sさんです。MIYAVIさんはギターとドラムが基本の編成なので音がシンプルでリズムを感じやすいです。
本当に鍛えたいのであれば、Kirisawaさんの動画で紹介されている音楽を聴いてください。とっつきにくい音楽だとは思いますが習得のしやすさは抜群でです。
ドラマーだけリズム感が必須?
ドラマー以外もリズム感は必須です。しかしドラマーのリズム感がバンドに一番影響するのも事実です。
ドラムはバンドにおいてメトロノーム的な役割を果たしています。そのためドラマーのリズムがずれるとメトロノームが狂うかのようにメンバーの演奏も合わなくなります。
とはいえリズム感はメンバー全員に必須です。ボーカルも例外ではありません。むしろボーカルこそリズム感を鍛えるべきです。宇多田ヒカルさんのようなボーカルであれば、楽曲に締まりがでます。
かの有名なマイケル・ジャクソンさんはダンスすらできます。ボーカルでありながらリズム感の塊です。

「ドラマーなんだからリズム感を鍛えてよ!」と言われたら心の中では「お前もな!」と言い返してやりましょう。
リズム感は音楽の基本
リズム感だけで音楽ができるかといえばそれ違います。しかしリズム感がなければ音楽はまずできないでしょう。
熱いだけのロック(これはこれで好きです)であればリズム感がなくでも味になりますが、リズム感なしでできる曲はほんの一握りです。素直にリズム感を鍛えましょう。
しんどいとは思いますがある程度リズム感が鍛えられると音楽は一気に楽しくなります。それまでほんの少ししんぼうです。応援しています。
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