ドラム用語

【ドラム用語】ミュートとは | シンバルチョークも曲でわかる!

  • ミュートとは、「減音」「消音」のこと
  • 減音は、特定の音域・響きをカット
  • 消音は、音の鳴りをストップ

ミュートとは

ミュートは、和訳に「無音の」という意味があるように、消音・減音という意味がある。消音は、テレビをはじめとした再生機器同様、音を完全に止める状態をさす。減音は、特定の音域や響きの抑えられた状態をさす。

ミュートの種類

ミュートには、音を減らす目的のものと、音を消す目的のものがある。

ドラムはどちらも使用するので、注意しよう。

減らすのと消すのとでは、やり方が異なる。

倍音・サステインの減音

音を減らす場合は、倍音やサステインを減らすことがほとんどだ。

スネア

スネアは、ガムテープやティッシュペーパーの他、リングミュートという専用の道具がある。

それぞれに特徴があるので、色々試してみよう。

バスドラ

バスドラは、バスドラ本体の中に何か入れるタイプと、本体に貼り付けるタイプの2種類が多い。

バスドラの中には、絨毯やタオル、重りなどさまざまなものを入れる。重い物が多い。

本体に貼り付けるタイプは、ビーター(ペダルを踏んだときにバスドラにヒットするパーツ)の当たるところに、シールのようなものを貼る。

シンバル

シンバルは、ガムテープや耐震ジェルを貼る場合が多い。

貼る場所や長さ、大きさによって、ミュートされる量や音域が変化する。

完全な消音

一方、音をそもそも止めてしまうものも存在する。

代表的なのはシンバルチョークである。

シンバルチョーク

シンバルチョークとは、クラッシュシンバルやライドシンバルを叩いた直後に、手でシンバルを抑えて、音を止める奏法だ。

ハイハットのように、音の長さを決められるため、他の楽器とタイミングを揃えるときによく使う。

凛として時雨の「Telecastic fake show」がいい例だ。

アウトロの04:10あたりに注目して聴いてみよう。

ギターやベースが一定の長さで音を止めているので、ドラムもシンバルチョークで音を止めている。

もしシンバルチョークでなく、そのまま音を伸ばしていたら、間延びした雰囲気になるだろう。

また、クラッシュシンバルの代わりにハイハットを使用していれば、インパクトがなくなるだろう。

アタックの強い音、かつ音の長さを決められるという点において、シンバルチョークは有効である。

ミュートの必要性

ドラマー
ドラマー
ミュートされていない音が好きだし、ミュートさせたくないんだけど…?

という風に思ったかもしれないね。

でも、ミュートを使った方がいいケースもあるんだ。

よくあるのが、ライブハウスやレコーディングだよ。

ライブハウス

ライブハウスのドラムセットは、ある程度ミュートさせるのが基本だ。

ライブハウスに設置してある機材に注目してみよう。

バスドラには絨毯が、スネアやタムタムにはガムテープが、シンバルにもガムテープが貼ってあるだろう。

もちろん、ミュートの方法がすべてこのとおりとは限らないけど、多くの機材がミュートされているはずだ。

ライブハウスでミュートする理由

ライブハウスでミュートするのは、各楽器の音を作りやすくするためだ。

スネア一つとっても、楽器はさまざまな音程で鳴っている。

そしてこの色々を含んだ音が「ドラムの音」を作るのに、邪魔なケースが多々ある。

ドラムの倍音やサステインは、案外鳴り響くので、他の楽器の音も邪魔しかねない。

たとえばギターの綺麗な音が鳴っているのに、スネアやシンバルのサステインが邪魔しているともったいない。

そんなケースを避けるためにも、不要な音は極力除いてあげるべきなのだ。

レコーディング

レコーディングでも、ライブハウス同様にミュートする。

スタッフのためにも、ミュートさせておこう。

レコーディングでミュートする理由

基本的にはライブハウスと同じ。ミュートされていない音は、扱いが難しい。

レコーディングされた音は、ミックスされて音源化される。

しかしミュートされていない音は、他の楽器の音を相殺しかねない。

それを避けるためにも、極力ミュートしておいたほうが、レコーディングは無難に進む。

スタジオ

一方、スタジオのミュートはドラマーにおまかせである。

というのも、出音に対して誰かが何かするわけではないからだ。

スタジオでミュートする理由

スタジオでミュートするのは、単純な音の好みが大きい。

ただし、そうでない場合もある。

一つめは、音量を下げたい場合。ドラムはいかんせんうるさい楽器なので、他の楽器との兼ね合いで音量を下げることはある。

二つめは、特定の音を短くしたい場合。ミュートすると音の伸びを抑えられるので、音が重なってほしくないときに使用する。

ミュートは適宜

ミュートについて解説した。

ミュートは、使うべき場面がいくつかあるので、その場合は確実にしっかりとミュートさせよう。

適切にミュートさせれば、楽器の良さを最大限に活かせる。

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分類単語
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拍・リズム裏拍 走る・もたる 倍テン(ダブルタイム) 半テン(ハーフタイム)  縦(縦のライン) ブレイクダウン キメ 〇〇回し
音楽記号2拍3連符・3連符 2拍子や4拍子 変拍子  BPM クレッシェンド・デクレッシェンド 反復記号 音価 サスティーン・倍音
テクニックアクセント移動(4ストローク) フィルイン リムショット シンコペーション(食う) ゴーストノート ミュート・シンバルチョーク シングルストローク(1つ打ち) ダブルストローク(2つ打ち) フラム
その他かみて・しもて