- 変拍子では、複数の拍子が入り混じる
- テクニカルな印象をもつ
- 7/4や9/8のような複雑な拍子を指すことも
変拍子とは
変拍子とは、複数の拍子が混合されている状態をさす。たとえば、4/4拍子と5/4拍子が交互に並んでいる曲は、変拍子といえる。この定義以外にも、7/4や9/8のような複雑な拍子を指すこともある。
3/4拍子や7/4拍子といった通常の拍子を知りたいあなたは、次の記事をチェック。よく使用される拍子を、個別に解説しているよ。

変拍子のバンド・曲
バンドの中には、変拍子を頻繁に扱うバンドも存在する。
変拍子を使うと、より複雑な表現が可能になったり、オリジナリティを示せたりするのに、活用される。
そんな変拍子を使用するバンドをいくつか紹介しよう。
ゲスの極み乙女。
川谷絵音率いる「ゲスの極み乙女。」は、変拍子を使うバンドだ。
変拍子一辺倒というよりは、必要なときに変拍子を使用していい味を出している印象。
さすが川谷絵音おそるべし。あなたは何個バンドを組めば気がすむのですか。
変拍子の見られる曲に「餅ガール」がある。02:26からに注目。

「餅ガール」を聴けばわかるが、変拍子が使用されているのは、曲のごく一部にすぎない。
それ以外にはキメでかっこよくしている部分や、裏打ちで踊りやすくしている部分などがある。
つまるところ、表現が豊富なバンドってことだ。やっぱり、川谷絵音ってやべえ。
tricot
tricotは、変拍子が多めのバンドだ。
変拍子の多いバンドにありがちな、曲展開の激しさがtricotにも見られる。
このフレーズを演奏していると思ったら、全然違うフレーズがぶっこまれるといった具合だ。
「99.974℃」を聴いてみよう。

変拍子ばかりではないが、そこそこの頻度で変拍子が使用されている。
様々なフレーズを聴くうちに、バンドの魅力に吸い込まれていく現象がおきそうだ。
ゲスの極み乙女。にもいえることだが、サビは4/4拍子のようなわかりやすい展開にしている。
そのほうがお客さんも踊りやすいからだ。
The Cabs
The Cabsは、爆撃機と呼ばれるほどに手数の多いドラムと、シャウトするギター、にも関わらず聴きやすいメロディラインが特徴。
ドラムの手数が多いバンドなら世の中にいっぱい存在するが、手数と変拍子が組み合わさることで、カオスの度合いが増す。
「キェルツェの螺旋」をひとまず聴いてほしい。シャウトが苦手な人はすまん。

イントロから数えるのもしんどい変拍子が並ぶ。
似たようなフレーズを叩いているはずなのに、拍子が毎回変わるから迷子になる。
この迷路のような雰囲気も変拍子ならではだ。
それにしても、こんなに混沌とした音をまとめるベーシストが、今やKEYTALKに在籍しているとは。わからないものだ。
ちなみにドラマーはついこの間まで、plentyというかなり手数の少ないバンドにいた。
ZAZEN BOYS
向井秀徳が向井秀徳すぎるバンド、ZAZEN BOYS。
今まで紹介したバンドと比較すると、そこまでコロコロ拍子は変わらない(むしろほぼ変わらないともいえる)。
しかし基本のビートが複雑な拍子なので、かなり特殊なバンドだといえる。
「Honnoji」「Cold Beat」を聴いてみよう。

他のロックバンドは、いくらかリズムにノリやすいのだが、このバンドはそれが難しい。
なぜなら、大半のリズムが複雑な拍子だからだ。
「変な拍子」という定義でとらえるのであれば、彼らも立派な変拍子バンドかな。
凛として時雨 ※変拍子でない
展開が急なバンドは、変拍子を使っていることが多々ある。
しかし凛として時雨は例外だ。
「Telecastic fake show」を聴いてほしい。

これだけすぐにフレーズが切り替わるにも関わらず、変拍子は見られない。
つまり、リズムが気持ち悪い = 変拍子、ではない。気をつけよう。
異なるビートの使用や、タイム感の調節(バスやスネアの叩く位置をちょっとだけズラす)によって、この切り替わりを演出している。
「テレキャスターの真実」「鮮やかな殺人」などでは、この傾向がさらに顕著に見られる。
さらに知りたい場合は、YouTubeで検索してみよう。
変拍子は一つの手段
変拍子について解説した。
変拍子を使用するバンドは、意外にも多い。
しかし変拍子を使いこなすのは、簡単なことじゃない。
演奏技量はもちろん、違和感がないように曲に馴染ませるのも、腕がいる。