- グルーヴの定義は人によってまちまち
- 「ノリ」をさすことも
- 黒人のタイム感をさすことも
グルーヴとは
グルーヴとは、バンド内で共有している特有のうねりやズレである。厳密な定義は人によって差があるものの、バンド間で合致しているタイミングや強弱という部分は共通しているはず。単に「ノリ」と同義で使う人もいる。
しかし「人によって異なる!」と突き放してしまうとあまりに乱暴なので、いくつかのパターンを紹介しよう。
グルーヴ1 : なんとなく
音楽のライトユーザー、いわゆるミーハーが「グルーヴ」というときはだいたいこの意味。
たぶん本人も何がグルーヴィーなのかわかっていない。
でも聴いた感じがいいから「グルーヴがいいね!」ととりあえず言ってみる。
「米津玄師って根暗なんでしょ?」って言ったらファンが怒るのと一緒。
よくわからないなら、その言葉を使わんでくれ…
グルーヴ2 : 広く一般的な「ノリ」
各バンド特有のズレやアクセント、つまるところ「ノリ」をグルーヴと呼んでいる。
EDMのようにメトロノームにそった音楽ではなく、ジャストのタイミングから若干ずらしたタイミングで鳴らす。
ドラムで考えよう。8ビートのスネアは2,4拍目に入るのが普通だが、これをちょうどのタイミングから後ろにずらす。
これにより妙なズレが生まれ「ノリ」が生まれる。もちろん、他の楽器隊ともこのタイミングを共有していないといけないのだけど。
他にも強弱や音色の違いなど、グルーヴの元はいくらでもある。研究してみよう。
グルーヴ3 : ブラックミュージックの「ノリ」
ブラックミュージック特有のノリのみをグルーヴと呼ぶ場合もある。
ブラックミュージックとは、黒人がジャンル発祥の元になっているファンクやソウルをさす。
聴いてみるとわかるが、彼らの音楽には日本人にはない(少なくとも訓練しないと身につかない)雰囲気がある。
この独特な雰囲気をグルーヴとさす場合もある。
グルーヴ4 : 快楽、時代遅れ…
ベーシストのkenkenは、グルーヴとは快楽だと言っていた。
手数王こと菅沼孝三は、時代遅れのものだと言っていた(はず)。
プロでさえこんなに解釈が違うのだから、一般人で意見が一致しようもない。
結局「グルーヴ」という概念が何をさしているかは、各人によってまったく異なるのが実情だ。
グルーヴという概念
グルーヴについて見てきたが、理解は深まっただろうか。
グルーヴは発言する人によって、意味がまったく別のものになってしまう。そのため注意して使用すべき言葉であるといえよう。
間違ってもよく知らない人に対して「グルーヴが〜」と話しかけてはいけない。
何をもってグルーヴとしているのかがわからないから、そもそも話が通じない。
いやー誰だよ。こんなわかりにくい言葉作ったの…